【DCMコラム】ビジネスSNS運用の6つのステップ 〜現場の担当者が迷わないための、確実な実践ノウハウ〜

【DCMコラム】ビジネスSNS運用の6つのステップ 〜現場の担当者が迷わないための、確実な実践ノウハウ〜

第2回 『知らなかった』では済まされない!企業の命取りになるSNSリスクと「2つの壁」の守り方

前回は「ビジネスSNS運用の6つのステップ」の第1歩として、フォロワー数に惑わされない『目的の再定義』についてお話ししました。目指すべきゴール(成果)が明確になったら、次に向かうべき「ステップ2」は、その足元を盤石にするための「リスクマネジメント」です。

せっかく目的を持ってコツコツと育ててきたアカウントも、たった一度の炎上や法的なトラブルによって、企業やブランドが長年築き上げてきた信用を失ってしまっては元も子もありません。今回は、ウェブ解析士協会認定の上級SNSマネージャーとしての危機管理の知見を踏まえ、ビジネスを予期せぬトラブルから守るために絶対に築くべき「2つの壁」について解説します。

1|ビジネスSNSに潜む「3大リーガルリスク」

個人のSNSであれば「知らなかった」「悪気はなかった」という言い訳で済まされるグレーゾーンな行為も、ビジネスの場では企業の法的責任や社会的責任として厳しく追及されます。企業がSNS運用において特に注意すべき法律は、大きく分けて以下の3つです。

  1. 著作権法: 他人が撮影した写真や制作したイラスト、音楽などを許可なく投稿に使用することは明確な法律違反です。「ネットで検索して見つけたから」と安易にアイキャッチ画像や背景に流用するのは絶対に避けなければなりません。
  2. 景品表示法(ステマ規制): 2023年10月から「ステルスマーケティング(ステマ)」の規制が大幅に強化されました。広告やPRであることを隠して「一般の口コミ」を装う投稿は、企業の信頼を失墜させるだけでなく、行政処分の対象となる重大なリスクをはらんでいます。
  3. 肖像権・パブリシティ権: 自社のイベント風景やオフィスの様子を投稿する際、一般の参加者や通行人の顔がハッキリと写り込んでいる場合、事前の許可や適切なモザイク処理が必要です。

これらはSNS運用の基本中の基本ですが、日々アップデートされる最新の法務トレンドやルールを押さえておくことが、何よりも安全な運用の第一歩となります。

2|「現場への丸投げ」が引き起こす、経営・組織としての真の危機

実を言うと、こうしたリーガルリスクや運用の基準を一切作らないまま、「若いスタッフが得意そうだから」「とりあえず流行っているから」と現場任せでSNSを始めてしまっている企業が後を絶ちません。

これは、ブレーキのついていない車で高速道路を走るようなもので、ビジネスとして非常に危険な状態だと言わざるを得ません。

ここで企業として直視しなければならない最も重要な視点は、「守りの仕組み(ポリシーやガイドライン)がない運用は、すべてのリスクと責任を担当者個人の肩に背負わせている」という事実です。会社の指針がない状態でトラブルが起きたとき、責められるのは現場の担当者です。その結果、担当者が恐怖心から萎縮してしまうことも考えられます。SNSの炎上リスクとは、単に「ネットで叩かれる」ことだけではなく、「大切な自社の社員(人財)と、経営の健全性を危険に晒す」こと。これこそが、企業がまず認識すべき真の危機なのです。

3|社内と外部をガードする「2つの壁」の具体的な役割

さて、こうした組織と人、そしてブランドを守るために築くべきなのが、「社内向け」と「外部向け」の2つの壁です。

まずは社内をガードする「第1の壁:投稿ガイドライン」です。スマートフォンの操作ミスによる「誤爆(個人アカウントとの取り違え)」や認識不足を防ぐため、以下のような具体的なルールを明文化し、仕組みとして共有します。

  • 投稿前のダブルチェック体制: 誰がコンテンツを作成し、誰が最終承認をして公開するかのフローの固定化。
  • アカウントの管理ルール: 個人のスマートフォンでのログインを禁止し、会社支給の端末や特定の環境からのみアクセスを許可する。
  • 発信NGワード・テーマの規定: 政治、宗教、他社批判、ジェンダーに関わる話題など、ビジネスとして触れるべきではない領域の指定。

そして、もう一つが世論の火種を消す「第2の壁:ソーシャルメディアポリシー」の公開です。 どれだけ社内で気を付けていても、予期せぬ誤解や一方的な批判、悪質な絡まれ方を完全にゼロにすることは不可能です。万が一の際、対応の拠り所となる公式な姿勢(ポリシー)をあらかじめ自社Webサイト等に開示しておくことで、担当者が感情的に反論して二次炎上を起こすのを防ぎ、「ポリシーに基づいた毅然とした対応」をスムーズに取ることができるようになります。 今、SNSを運用している皆様!御社のHPに「ショーシャルメディアボリシー」を掲出していますか?

4|ステップ2を終えて:安全という「ブレーキ(ルール)」があるから加速できる

「あれもダメ、これもダメと縛られて、SNSの良さであるスピード感や親しみやすさが失われてしまうのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。

しかし、それは逆です。車に優れたブレーキ性能があり、交通ルールがあるからこそ、ドライバーは安心してアクセルを踏んでスピードを出せるのと同じです。企業や個人事業主がSNSで思い切った魅力的な発信をし、ユーザーと深いコミュニケーションを取るためには、「ここまでは絶対に安全」という強固なルール(ガイドラインとポリシー)が不可欠なのです。

もし、自社のアカウントにまだこの「2つの壁」がない、あるいは現場任せの運用になっていて不安だと感じられたら、発信を加速させる前にまずは足元を見直すことを強くお勧めします。 守りが完全に固まれば、いよいよ次は効果的な発信のステージへとアクセルを踏み込むことができます。次回の「ステップ3」では、限られたリソースで最大の効果を出すための『主要プラットフォームの正しい選び方』についてお話しします。

2026年7月16日

■ 本記事に関するお問い合わせ・ご相談

株式会社DCMでは、ビジネスSNSの立ち上げ、運用戦略の構築、効果測定の導入など、企業のWebマーケティングに関するご相談をお承りしております。また、今回ご紹介した「ソーシャルメディアポリシー」や「社内投稿ガイドライン」の策定・作成についても、企業の状況に合わせた個別サポートを承っております。「何もないまま運用していて不安だ」「リスク対策をイチから見直したい」という担当者様・経営者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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