ECと決済が統合される時代、「レジ」は顧客体験の中に溶け込んでいく
1.なぜ今、Shopify・BASEが注目されるのか?

近年、EC(電子商取引)の現場では「売る仕組み」と「支払う仕組み」が急速に融合しています。
その象徴が、Shopify(カナダ発)やBASE(日本発)といったノーコードECプラットフォームの急成長です。
これらのサービスは、「誰でも簡単にネットショップを開設できる」ことが強みとされてきましたが、近年ではそれに加えて、決済・販促・物流・CRMまでも一体化した“商売の総合
OS”として進化しています。
特にShopifyは、Shopify Paymentsを軸にカード、Apple Pay、Google Payなどの多様な決済手段を統合。BASEは、かんたん決済機能で事業者と購入者の決済体験を最大限に簡略化しています。
いずれも、「決済を導線から切り離さない」という思想が、従来の“別建て型EC”とは一線を画しているのです。
2.「支払い」はUXの中に埋め込まれる
これまでのECは、「商品を探す」「カートに入れる」「決済画面に進む」という段階的な流れが主流でした。しかし現在では、InstagramやYouTubeなどから直接購入に進める「シームレスコマース」が普及し、決済は“体験の一部”として溶け込む設計が主流になりつつあります。
たとえば:
- Shopifyでは、インフルエンサーが商品紹介するSNS投稿から、そのまま購入・決済まで完結
- BASEでは、クーポンやメルマガ、定期便など、継続購買を促す“仕組みごと”設計できる
このように、ユーザーにとっての「購買の摩擦」が限りなくゼロに近づくと、決済そのものが“売れる仕組み”としての価値を持つようになるのです。

3.決済がマーケティングの起点になる時代へ
注目すべきは、ShopifyやBASEが決済後の世界にも深く踏み込んでいることです。
たとえば、Shopifyでは購入履歴やアクセス動向に基づく自動レコメンドやリターゲティング広告、メールマーケティングなどのデータドリブン施策が簡単に実装できます。
BASEも、顧客情報を元にしたリピーター獲得施策や、LINE公式アカウント連携などを通じて、“また買いたくなる仕組み”の組み込みが進んでいます。
つまり決済はもはやゴールではなく、マーケティングのスタート地点。
「買ってもらったら終わり」ではなく、「買ってもらった瞬間から“次の売り方”が始まる」という発想が不可欠になっているのです。
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2025/07/01